トライアングル【梨緒's HISTRY】③

〜中学校入学。大人になるにつれ、3人の関係に、異変が起こる〜〜

 

黒板の前でキリッとしたかっこいい面持ちで

何やら難しい方程式を書きながら説明する亮輔》

頭のよく、スポーツも出来る優等生な亮輔。

周りの信頼も厚く、リーダーシップを発揮する。

優しい性格も相まって女子はほっとかない。

将来は学者や政治家、起業など頭を使って自分でなんとかする仕事をしたいと思う。

 

 

バットを豪快に振る祐介》

スポーツ万能。不器用ではあるがその身体能力と

大胆さでムードメーカー的存在。

その男らしさと真っ直ぐな人柄に女子の中でひそかに人気。

将来はスポーツ選手か建築業か。

身体を動かした仕事がしたいと思う。

 

 

ミス和泉姫中学のグランプリの時の写真。

ドレス姿で微笑む梨緒に光が差し込んでまるで

女神さまのよう》

美しく男子からの絶大な人気とその持ち前の

裏表のない明るい性格で女子にも圧倒的な人気で

ミス泉姫中学に選ばれた梨緒。

成績もよく、スポーツはだめだめだが。

そのルックスはアイドルにでも、頭の良さは

キャビンアテンダントでも

人柄の良さは看護婦でも何にでもなれる可能性を

持っていた。

 

 そんな3人の写真の中央には、梨緒の可愛い字で

−−仲良し3人組−−と書かれていた。

 

 

《祐介と梨緒とで桜の木の前で制服で写った写真。遠くには全く意識せず偶然写った亮輔の姿》

下には

−−入学式−−

と、書かれている。

 

 梨緒を取り合いギクシャクする亮輔と祐介。

   その頃から3人で写真を撮る事が

      ほとんどなくなった。

 お祝いの時も行事の時も3人で行動する事が

        無くなった。

 

 

《野球の試合で2人を応援する梨緒の姿

(マウンドには亮輔。奥のライトには祐介が小さく写る)》

下には

−−がんばれ!泉姫の雄姿たち−−

と、書かれている。

 

 

    梨緒は2人ともが大事だった。

 だから2人の想いに答える事が出来なかった。

 自分がいなくなれば2人は仲良くできるのかと

     自分を責めた事もあった。

   それでも梨緒は2人を支え続けた。

 

 

そして・・・

 

 

数少ない3人で映った

中学生になってからの写真・・・

 

 

アルバムの最期のページにある写真には・・・

 

 

《泥だらけのユニフォームでお互いソッポを向く

亮輔と祐介。その真ん中で2人の肩をグッと手繰り寄せ、くっつく梨緒》

 

下に書かれていたのは・・・

 

−−3人でいれる最期の夏。

悔いを残さないようにがんばるぞ!−−

 

そこに映る梨緒の顔は、

猫のような笑顔に満ちていた。

 

そう、

『3人、、、ずっと仲良く!』

と、願った頃と変わらずに・・・

 

 

 

 

ごめんね・・・梨緒・・・

 

 

ありがとう・・・

 

 

そして・・・

 

 

さようなら・・・