トライアングル【第10章】起死回生③-1


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「何だ!?どうなった!?」
別の宇宙船の宇宙人が爆発した味方の機体を確認する。
しかし周りに敵の機体が存在しない。
「?」
レーダーを確認する。
敵機の印が自機の印と重なっているように見える。
「なんだこれ?」
レーダーがおかしくなったのか?と、指でコンコンつつく。
ピュンピュン!
そんな機内に銃声が鳴り響いた。
「へ?」 
ドカーーン!

「くそ!奴はどこだ!?」
「奴を倒せ!!」
宇宙人の機体同士の通信が騒がしく交錯しだす。
「奴は上下の動きでレーダーを撹乱してくる!目で捉えろ!!」

宇宙船の数機が上空に飛び上がった亮輔たちの戦闘機を
目で捉える。
逆光であるが確かにそこに存在する。
「よし!見つけた!!」
「言っても奴の動きは直線だ!そのまま奴の軌道に狙いを定めて打ち落とせ!!」
宇宙船の数機が一斉に亮輔たちの機体に狙いを定め、
ミサイルを放つ。

ドン!ドン!ドン!ドン!

放たれたミサイルが真っ直ぐ亮輔たちの機体に近づく。

「よし!」
確実に先ほどのように急降下してきている。
直撃は免れない。
、、、そのはずだった。
「なに!!?」
真っ直ぐ急降下してきていた機体がミサイルが当たる直前!
急にヒラヒラと右に回転しながら旋回。
そのまま飛んできたミサイルを優雅に躱してみせた。

「三戦闘機『飛燕』じゃ!」
祐介がトリガーを握って言う。

《『P−40(ウォーフォーク)』→『戦闘機』=『三式戦闘機「飛燕」』》

三式戦闘機「飛燕」、、、機銃を備えた火力
     と飛行性能を備えた戦闘機。
     連合軍の愛称は「トニー」。
     その軽快に飛ぶ姿は
     空を舞う燕のよう。


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「『その軽妙俊敏性はあたかも青空を飛ぶ燕のよう』ってか。確かに連合軍にはない軽快さがあるな。」
亮輔が操縦桿を握りながら上下逆さまで言う。
「祐介!やってやれ!!」
祐介がそんな亮輔の後部の座席でニッタリ笑う。
「ハッハッハ!雨のお返しじゃ!!」

カチャッ!
祐介がトリガーを握ると同時に戦闘機に備えられた機関砲から弾丸が降り注いだ。

ドドドドドドドドド!
上空から降り注ぐ機関銃の雨。
「うわっ!」
宇宙人は思わず宇宙船内で雨を避けるように
頭を隠してしまう。
ドカーーン!

ドカーーン!
ドカーーン!
ドカーーン!
次々と宇宙船は爆発と共に墜落していく。
「くそ!このままでは埒が明かない、、、」
それまで遠くで見ていたリーダー格のような型の違う宇宙船に乗った宇宙人がついに痺れを切らす。

そして通信機のボタンで宇宙船全機に指令を出した。
「全機に告ぐ。これから飛行隊を複数の部隊に編成する。現在のポイントAにいる機体を"A"、ポイントGにいる部隊を"G"、ポイントFにいる機体を"F"というように。
それぞれが、これから私の指示どおり動くように。」