トライアングル【第7章】悪夢③


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《『野球→打つ』から『うつ』→『ボクシング』》

亮輔の両方の拳には赤いグローブが握られている。
そしてそのまま馬乗りになった祐介へ

「事故じゃない!」
上げた拳を思い切り振り下ろし顔面を強打!
「事故じゃない!事故じゃない!」
そのまま、何度も何度も拳で叩きつけるように
祐介の顔面を殴りつける。

祐介は思わず顔を隠すように両腕で覆う。

それでも尚も亮輔は腕ごと殴る。

ついに起こってしまった。

これまでの対決では無かった事。

それは、、、

お互いを傷つける事。

心を傷つける事があっても
お互いに直接身体をぶつける事は無かった。

その一線を超えてしまった。

その代償は大きかった。

ドッ!
振り続けていた亮輔の拳の間を縫って
黒い影が亮輔の喉元を貫く。

そのままの勢いで宙を舞った亮輔は
カランカラーン
木材の山に突っ込んだ!

ゲホゲホ、、、。
木材に埋もれ
喉元を抑え、苦しい息を吐く亮輔。

立ち上がる祐介。
少し顔を腫らしながら
ガンをつけ
その右手に持ち、肩を叩いているのは
竹刀!

《『ボクシング→撃つ』から『うつ』→『剣道』》

「いて〜んじゃ!ぼけ!」
ガンをつけながら
見下すように言い放つ。

痛い、、、
苦しい、、、

お互い傷つけ合う事で生むのは、、、

サクッ!
その祐介の竹刀を持った右手の肩に
弓矢が突き刺さる!

《『剣道→打つ』から『うつ』→『弓道』》

はぁ、、はぁ、、、
息を荒げながら
木材を背に
立ち上がり弓を射っていた亮輔。

もう、止められない。

さらなる怒りしか無かった、、、。